【現場いろいろストーリー】2021.8-断熱材ハイ・サーム

木質天然素材を主原料とした段ボールのトリミング材から生まれた環境共生型の断熱材、セルロースファイバー「ハイ・サーム」。断熱効果はもちろん、シックハウス症候群を引き起こす有害素材を使用せず、たとえ解体した後でも有害な産業廃棄物を一切出さない優れものです。住む人の健康と地球環境の保護も考えて作られた素材で、省エネルギー基準(次世代型)もクリアしています。

調湿機能を持つ「ハイ・サーム」は、一本一本の繊維に吸放湿能力があり、結露発生前に吸湿し、湿度が低くなると放湿するので適度の湿度に保つ事ができる断熱材です。そして、さまざまな太さの木質繊維が絡み合い空気の層ができることで空気を含む極小の穴を多数保有し、それが音を吸収する吸音材としても優れた特性を持っています。また、防熱処理が施されているため自己消火性も有り、さらに、防カビ剤や撥水剤が配合されているので撥水効果にも期待ができます。

今回、新築住宅の天井と壁に「ハイ・サーム」を施工しました。雪を降らせたように「ハイ・サーム」を吹き込むブローイング工法で、隙間や継ぎ目を作らず、どんなに複雑な形状の空間にもムラなく施工をすることができます。

引っ張り強度と引き裂き強度の十分なポリエステル製の不織布を、弛みのないように張っていきます。とてもリズミカル且つスピーディーに、流れるように作業は進んでいきます。個人的にこの作業風景、多分ずーっと飽きずに見ていられます、好きです(笑)

そして、その不織布に「ハイ・サーム」を吹き込むため、カッターで十分な切込みを入れて、ブローイングの準備が完了です。

外ではブローイングマシンを操作する人がいて、中では切れ込みから「ハイ・サーム」を吹き込み、終わったら吹き込み穴をフィニッシュシート(不織布)で塞いで施工が完了します。

こうした断熱性能が優れた家では、冷房器具の力をほとんど借りなくとも、家の中の全ての場所をある程度一定の温度に保つことができます。具体的には冬なら暖かさを逃さないように、夏なら暑さが入らないようにし、快適でエコな生活を実現してくれることでしょう。お施主様には夏が過ぎた頃、実際にお住まいになられての感想をお伺いしてみたいと思っています。(m.t)