【現場いろいろストーリー】2022.2-佐藤家土台敷き

今回のコラムは「土台敷き」についてのレポートです。
基礎工事も終わり、大工工事が始まっている佐藤家の現場、佐藤さんとえりいが現場で打ち合わせをしています。

建て方を目前にしたこの日は土台敷きの作業ですが、一番大切なお掃除の時間。
床が塞がってしまうと掃除が行き届かなくなる床下、こまめな掃除は欠かせない大事な作業です。

まずは「墨出し」の作業から始まります。
基礎の立ち上がり部分の幅に対して、上に乗る材がなるべく真ん中になるように幅の墨出しを行います。

次は「アンカーボルトの墨付け」の作業に移行します。
配った材料に土台のアンカーボルトの位置の墨付けをします。

まずは、材に対して直角に墨をつけた後、写真のように差し金を斜めにしています。

これは、材に防腐剤を注入するための“刻み”(横方向に空いた細かい穴)があり、横方向に墨付けをしても見にくいので、斜めに墨を入れて交差するポイントが穴あけの目印となります。

この墨を目安に穴あけをしていきます。

同時進行で、基礎コンクリ部分と土台の木部の間に入れる樹脂製の基礎パッキンを配っていきます。
この基礎パッキンが普及する前は、基礎コンクリート部分に幅400高200程度の床下換気口を配置し、そこから通気と換気を行っていましが、基礎強度の低下や換気が不十分といった難点もあり、この樹脂製の基礎パッキンが普及しました。

基礎パッキンの役割は、通気と換気の他にも土台の木部を常にドライな状態に保つことや、住宅の荷重を基礎全周で受けることも担っています。

写真のような特殊な構造の換気スリットが、床下の湿気を効率よく排出します。

対してこのようにスリットが入っていない気密パッキンは、浴室や玄関部分に使います。

浴室の床下に外気が入ってしまうと、浴室全体が外気温の影響を受けやすくなってしまいます。
また、冬場の浴槽内の水温が下がってしまうので、ここには「通気パッキン」ではなく、「気密パッキン」が適しています。

このように、使うシーンや場所によって「基礎パッキン」の使い分けが必要となります。
写真のパッキンは、通気が必要な部屋部分の「通気パッキン」ですね。

そして、いよいよ敷き込みの作業の開始です。

構造の弱い角に入れる長いホールダウンアンカーは、柱と基礎を繋げる役目。

ボルト締めも四隅や長い材から順番に締めていき、細かい歪みなどを調整しながら進めていきます。

次は、大引きと床束の取り付けに移行します。
束は下からビス止めをするので、大引きは裏向けに配っていきます。

床の不陸調整と、大引きを支える大事な役割の束。

昔は木の束を使っていましたが、床下の湿気による腐朽や白蟻被害の問題も多かった為、その解決策として誕生したのがこの鋼製束です。

最後に床合板張りをし、今日の作業の終わりが見えてきたところで、良い感じの日暮れです。

本日はみなさまお疲れ様でした。
次回は「建て方」のレポートをお送りしますのでお楽しみに!(m.t)