私たちは、設計者・左官職人・大工が “ものづくり” を協働するひとつのチームとして活動しています。

それぞれの職能の経験と視点から、建築の可能性やこれからの暮らしの在り方、建物のつくり方や仕組みに至るまでを共に考え、日々試行錯誤をしています。

自分たちの住む場所を大事にしてほしい、空間やデザインの面白さを体感してほしい、素材や材料にもっと触れてほしい。 “建築の持つ力を多くの人と共有したい” そんな思いから、土地探しから設計・施工までを担う会社を立ち上げました。

建物のはじまりから使い続けていくところまで、施主・設計者・職人・運営者が一体となって関わり続けることを目指しています。

【わたしたちのつよみ】

新しい仕組みでものをつくり 使う人・つくる人みんなを幸せにします

①土地紹介から完成まで、納得のいくまで対話を重ねます。

施主・設計・職人が一つのチームになりプロジェクトを進めていきます。お客様の要望を最大限に引き出し、本当に納得がいくまで提案を重ねます。理想の間取り、イメージを持参頂いても結構です。
現場では大工や左官に気軽に声をかけ、作り方や仕上り具合を確認してください。

②豊富な経験が裏付ける、高性能で心地よい空間。

大規模建築、木造建築の経験豊富な設計者が耐震・省エネなど必要な性能を満足させ、設計段階から大工、左官などの職人と検討を進める事で、質の高い性能・空間を提供します。

③中間マージンを無くし、高品質をローコストで提供します。

仕入れを直接行い、中間マージンを削減します。社寺仏閣の施工経験を持つ大工や熟練の職人たちが、豊富な知識と質の高い技術を集結させた住宅をつくります。

④アフターフォロー、建物管理もプロの目で。

完成から5年間は定期点検を行い、万が一の場合は住宅保証機構の保険により、10年間無償で修理を致します。
※免責事項あり・新築に限る

設計者の思い

建物をつくることは、あたりまえですが一人ではできません。

設計という職業は、建物のデザインやものの納まりを考え、それを図面に書くのが主な仕事です。書くだけでは建物は建たず、その図面を見て職人などの作り手が、実物のかたちにしていきます。輪郭のないイメージを二次元のかたちにし、細部や材料と格闘しながら実物大の建物をつくりあげていく。そこにかける人たちのエネルギーはすごい!
ですが、肝心のその建物に住む人・使う人は、本当は主役なはずなのに、あまりその輪の中にいない、またはいれない事が多く、そのような作り方、進め方が普通の事となってしまっています。「もっと建築を身近なものにできないか」という想いから、この会社がはじまりました。
自分の家なのに、何の素材でできているか?誰がつくったのか?良く分からない。職人も、誰のために手と体を動かしているのか見えにくい。日本はもともと「建築家」という職業はなく、大工の棟梁が図面を書き、職人仲間やそこに住む人たちと建物をつくっていました。今は、昔に比べると沢山の職業が建築に携わっています。その関わる全ての人が、横並びの関係でものをつくりたい。地域や土地を大事にすることや、住み暮らす時間にも丁寧に向き合っていきたい。壁を一枚つくっただけでも、空間が変わる面白さを知ってほしい。

なので私たちはとにかく話を伝え、話を聞きます。何もない透明な状態から、ひとつひとつ話をして、イメージをふくらませ、かたちにしていく。その作業を何度も積み重ねます。施主、職人、設計者、事務所の中でも、外でも。沢山対話を重ねます。アパレル出身のメンバーが、「たとえるならBespoke Architecture」ですね、と言ってくれました。(だいぶ恰好良いたとえですが!)
一緒に話をしながら、手を動かしながら、一つの建築をつくる。そんな事を目指しています。
あーだこーだ言いながら、みんなで建築をつくり、育てていくことは楽しいです。一緒に醍醐味を味わってみませんか?

左官職人の思い

左官職人は楽しい!!ワークショップをやると大人も子供もたくさん集まるし、大変盛り上がりる。なぜなら左官作業は、とてもシンプル。
基本、手作業で気候(自然)を常に意識し、水で練られた材料をコントロールしながら仕上げて行く。特に自然素材などは、なかなか言うことを聞いてくれない。
それもまた、楽しいし、左官仕事の醍醐味でもある。
しかし、手作業故に職人個人の知識と経験に差が出てしまい品質が安定しない。
また、水を使うことにより工期が長くなるなど、こうした理由から左官が建築現場から居なくなりつつあるのが現状だ。メリット・デメリットを共有した施主・設計士・大工などと共に計画の段階からものづくりが出来れば、きっと豊かな空間が出来ると思うし楽しい現場になるでしょう。
奇をてらったものづくりではなく、その場、その空間にあった特別なカベ(左官仕事の総称として)を一緒につくることが出来ればと思っている。

大工の思い

HPに載せるため、何か文章を書いて欲しいとの依頼を受けた。「あなたはなぜセイムピクチャーカンパニー(以下spc)と協働しているのか、その熱い思いを綴ってくれ」と。えぇー・・・??である。何か書いて欲しいのは分かるが、まったく何を書いて欲しいのかが分からないのだ。「なぜspcと仕事をしているのか?」の、なぜ?に素直に答えるのなら、それは「たまたま」である。たまたま出会ってたまたま僕の仕事を必要としてくれたから、というのが「なぜ?」に対する正しい答えだ。しかし欲しいのはそんな答えではないのでしょう。はい、「熱い思い」の方でね。「『SPC・熱い思い・協働』あたりで、読んでくれる人に伝わる文章、ハイっどうぞー!!」っていう、いつもの彼ら彼女らのやり口である。分かりました、書いてみましょう。

設計施工をする工務店やメーカーなどがHPを作るということになれば、「私たちのつくる家や空間はここがすばらしい!」ということを分かりやすく書いて、その説明をいろいろなコンテンツで肉付けしようとするのが普通だろう。しかし、spcはそのようではないらしい。何を売りにしたいのかが、なかなか分かりづらいのだ。やりたいことが、分かりづらく伝えづらいことなのだろう。前段落をだらだらと書きながら、「何を書いて欲しいのか分からない」ところが、もしかしたらspcにとって重要なことなのかもしれないという予感もあったので、この分かりにくいことって何?について考えてみたいと思う。

例えば住宅の話。良い家かどうかを測る尺度というのは無限と言って良い程に存在する。分かりやすいところで言えば、耐震性・耐久性・温熱環境性能・デザイン性(使いやすさ、心地よさ、カッコよさ)・健康に良いかどうか・地球環境に対する負荷はどうか?街に対しては・・・等々などなど、そのものさしは無数にある。すべての面で良い(高性能の)住宅を建てようとすれば、お金も時間も無限にかけられそうである。しかし、世の中のほとんどの人にとって使えるお金も時間も有限であり、ひとによって限度量も違う。だから一軒一軒の住宅は、施主それぞれによって、何を大事にして何が大事にされなくても良いのか、どう暮らしたいのか、家に何を求めるのか、を予算の中で配分するコントロールが為されなければいけない。これは設計に含まれる大事な仕事であり、そしてとても複雑で難しい仕事であると思う。一人一人のお施主さんが、本当は家に何を求めているのか?それを探るのは至難のわざである。何せ往々にしてそこには元々形のある答えが無いのだから。つまり、どんな家が欲しいのかって、ほとんどの人にとって実はものすごく分かりにくいことなのだと思う。

HPを持つというのは、お客さんに見つけてもらうと同時に、お客さんをふるいにかける行為でもある。「うちの売りはこれですよ!」と分かりやすく宣伝すれば、それを見て来てくれるのは、(少なくとも一つは)何かしらの答えを持ったお客さんということになる。分かりやすい入り口が一つあれば、その後の話も進めやすくなるし、とても有効なやり方だ。しかしspcはどうもそれをしたがらないようである。(メンバーそれぞれに持っているものはあるにせよ)spcが大事にする価値観はこれです!と明言することを何とか避けようとしているように見えるのだ。なぜか?彼らが目指すのは、横並びでみんなでつくるものづくりである。その時その(施主を含めた)チームでしか生み出せない価値を持ったもの(建物や空間)がつくりたいのだ。もしチームが横並びになる前に、一つの強い価値観を提示してしまったら、その時にしか生み出せないはずの価値が消えてしまうかもしれない、と感じているのではないだろうか。

と、ここまで書いて僕にもやっと分かってきた(というくらいに分かりにくい)。価値観を押し付けることなく、施主も設計も職人も協力し合って、用意されていない答えを一緒に探しながら作っていく、それがspcのやりたいことなのだろう、と書きながら、、、ん、それはまさに僕のやりたいことでもあるなと気づいた時、「そう、つまりspcというのは会社の色さえも、関わっているあなたと一緒に作っているのですよ」という彼ら彼女らのやり口にまんまとやられたことを知るのである。だいたい、設計の木平氏に「どんなものつくりたいの?」って聞いても「なんかさー、ハッピーな空間作りたいよね」みたいな答えしか返ってこないのに、大工の私がここまで書かされてしまっているのである。この良く分からない入れ子構造のような関係に、あなたも組み込まれて一緒につくってみませんか?そのような家づくりが、きっとあなたのしあわせな暮らしにつながると僕は信じています。