神奈川県鎌倉市は、「武家の古都」として知られる独特の魅力を持つ住宅エリアです。
鶴岡八幡宮や大仏といった歴史的建造物が身近にありながら、JR横須賀線で都心まで1時間圏内という利便性も兼ね備えています。
鎌倉駅から東京駅まで約55分、品川駅まで約50分と通勤圏として十分機能し、大船駅は複数路線が乗り入れるターミナル駅として横浜方面へのアクセスも良好です。
市域の約4分の1が歴史的風土保存区域、半分以上が風致地区に指定されており、緑豊かな景観と歴史的街並みが法的に保護されています。
このため、鎌倉市での新築一戸建て購入には、古都保存法や風致地区条例による建築制限、植栽義務、高さ制限など、一般的な住宅地とは異なる独自の配慮が必要です。
本記事では、長年鎌倉エリアで住宅建築に携わってきた工務店の視点から、新築一戸建て購入のポイントを実務的に解説します。
鎌倉市の魅力

古都鎌倉は、歴史的価値と現代的な利便性を併せ持つ、全国的にも珍しい住環境といえます。
新築一戸建てを検討される方に向けて、住みやすさ、子育て・教育環境、医療環境の3つの側面から鎌倉市の魅力をご紹介します。
住みやすさ
鎌倉市の交通アクセスは、JR横須賀線を軸に展開されています。
鎌倉駅から東京駅まで約55分、品川駅まで約50分と都心への通勤も十分可能な距離です。
大船駅は横須賀線に加えて東海道本線、京浜東北線、湘南モノレールが乗り入れるターミナル駅として機能し、横浜駅まで約17分という利便性を誇ります。
また、江ノ島電鉄(江ノ電)は鎌倉と藤沢を結び、鎌倉高校前駅や長谷駅など観光地としても名高い沿線を通る魅力的な路線です。
鎌倉市の最大の特徴は、歴史的風土の保存です。
市域の約25%にあたる約989haが歴史的風土保存区域に、そのうち約573.6haが歴史的風土特別保存地区に指定されています。
さらに、市全域の約55.5%にあたる約2,194haが風致地区に指定され、緑豊かな景観が守られています。
鶴岡八幡宮、高徳院の大仏、円覚寺などの歴史的建造物が日常生活圏内に存在し、材木座海岸、由比ガ浜、稲村ガ崎などの美しい海岸線も魅力です。
生活インフラも充実しており、大船駅周辺には大船ルミネウィングをはじめとする商業施設が集積しています。
鎌倉駅前には小町通りを中心とした商店街があり、日常の買い物から休日のショッピングまで市内で完結できる環境です。
ただし、鎌倉市特有の注意点として、古都保存法や風致地区条例による建築制限があり、住宅建築時には周辺景観との調和や緑化義務など、通常の住宅地にはない配慮が必要です。
子育て・教育環境
鎌倉市は歴史と文化を大切にする風土が根付いており、子育て環境としても魅力的です。
市内には16校の小学校、10校の中学校があり、鎌倉学園中学校・高等学校、栄光学園中学校・高等学校などの私立学校も充実しています。
また、鎌倉女子大学などの高等教育機関もあり、教育に対する意識の高い地域環境が形成されています。
- 小児医療費助成
0歳から中学校卒業まで、所得制限なしで入院・通院の保険診療自己負担分を助成します。神奈川県内の医療機関では医療証の提示で窓口負担が不要になります。 - 児童手当制度改正
2024年10月から高校生年代まで拡大され、3人以上の家庭は大学生年代まで支給対象となりました。 - 子育て支援センター
市内5箇所(鎌倉、深沢、大船、玉縄、腰越)で0歳から就学前の子どもと保護者が無料で利用できる「ひろば」を提供しています。 - かまくらこども相談窓口きらきら
2024年に設置された、妊娠・出産・子育て期の切れ目ない支援を提供する相談窓口です。
待機児童対策については継続的な保育所整備が進められており、認可保育所に加えて小規模保育事業の拡充により、多様な保育ニーズに対応しています。
医療環境
鎌倉市は医療機関が充実しており、安心して生活できる環境が整っています。
市内には複数の総合病院があり、特に大船中央病院、湘南鎌倉総合病院などが24時間体制での医療サービスを提供しています。
小児科医院も充実しており、夜間・休日診療体制も整備されています。
歯科医院は市内に多数あり、住民一人当たりの医療従事者数は神奈川県平均を上回る水準です。
古都としての特性から、在宅医療や訪問看護の体制も整っており、高齢者にも住みやすい医療環境が構築されています。
<データ引用元>
鎌倉市 歴史的風土保存区域・歴史的風土特別保存地区https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/fuuchi/4jyou_6jyou.html
鎌倉市 鎌倉市風致地区条例
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/fuuchi/huutitiku.html
鎌倉市 古都保存法とは
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/fuuchi/kotohozonhou.html
鎌倉市 小中学校一覧
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/g-shisetsu/gattukou.html
鎌倉市 子育て支援
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kenkou/kosodate/shien/index.html
湘南エリアで建てた注文住宅の施工事例
2階から海を眺められる、小高い谷戸に建つ5人家族のための住宅。

仕切りのない空間は、家族の気配を近くに感じとれます。

玄関土間は一年中快適に過ごせるように暖炉を設けました。

広い庭にたくさんの樹々が生い茂る自然豊かな鎌倉の山の中に小さな平屋が完成しました。

白を基調としたスタイリッシュな居室の床には足触りの良いパイン無垢材のフローリングを、また、天井は一坪分高くして東からの日や風を取り入れるためにハイサイド窓を設えています。

照明はダウンライトを付けずに北欧製などの間接照明だけで部屋全体を包み込み、夜は柔らかく優しい灯りでゆっくりと過ごせる空間に。

新築一戸建てのタイプと特徴
鎌倉市で建築される新築一戸建ては、古都保存法や風致地区条例という独特の建築規制の影響を受けるため、一般的な住宅地とは異なる特徴があります。
工務店の視点から、それぞれのタイプの特徴とメリット・デメリットを詳しく解説します。
新築建売住宅
鎌倉市では、建売住宅の供給量は藤沢市などの隣接都市と比較すると限定的です。
これは古都保存法や風致地区条例による建築制限により、大規模な宅地開発が困難なためです。
不動産会社やハウスメーカーが土地取得から設計・建築・販売まで一貫して手がける住宅で、完成した状態で販売されるため、購入から入居までの期間が短いのが特徴です。
鎌倉市の建売住宅では、風致地区の景観基準に適合した外観デザインや色彩、敷地面積の20%以上の植栽義務など、地域特性を反映した仕様が標準で組み込まれています。
歴史的風土特別保存地区や第一種低層住居専用地域では高さ制限が厳しく、多くが2階建てに限定されます。
近年は長期優良住宅認定を取得した高品質な建売住宅も増えており、将来の資産価値向上も期待できます。
- 完成済み物件のため1〜2ヶ月で入居可能
- 総費用が事前に確定しており資金計画が立てやすい
- 実際の仕上がりを確認してから購入できる安心感
- 住宅ローン審査が通りやすい
- 風致地区や古都保存法の規制に適合した仕様が標準装備
- 鎌倉らしい落ち着いた外観デザインが人気
注文住宅
注文住宅では、お客様のライフスタイルや好みに合わせた自由度の高い住宅建築が可能です。
鎌倉市での注文住宅建築では、地域特性を考慮した仕様選択が重要になります。
歴史的風土保存区域(特別保存地区を除く)では、建築行為の届出が必要で、市長から助言や勧告を受ける可能性があります。
風致地区では建ぺい率、高さ、壁面後退距離、色彩、植栽などについて通常より厳しい基準が適用されます。
第二種風致地区では建ぺい率40%以下、高さ8m以下が標準で、敷地面積の20%以上の植栽が義務付けられます。
用途地域による制限では、第一種低層住居専用地域が多く2階建て住宅が基本となります。
一部エリアでは第一種住居地域に指定され、3階建て住宅の建築も可能です。
住宅密集地では中庭を設けたコートハウス型や2階リビングの採用など、設計上の工夫が必要です。
- 家族構成やライフスタイルに完全対応した設計が可能
- 将来の間取り変更や増築への対応が容易
- 鎌倉らしい和モダンなデザインなど独自性の高い住宅の実現が可能
- 古都保存法や風致地区条例への対応で追加費用が発生
- 設計から完成まで10〜14ヶ月程度必要
- 仕様変更により予算オーバーになるリスク
デザイン住宅
建築家やデザイナーによる独創的な設計により、他にはない唯一無二の住まいを実現できるのがデザイン住宅です。
注文住宅が施主と工務店・ハウスメーカーが直接やり取りしながら機能性や実用性を重視して設計するのに対し、デザイン住宅では建築家やデザイナーが設計段階から参画し、芸術性や独創性をより重視した住まいづくりを行います。
鎌倉市では古都の風情を活かした和モダンスタイル、鎌倉の自然と調和した建築、歴史的建造物にインスパイアされたデザインなど、地域特性を反映した個性的な住宅が人気です。
敷地条件や家族のライフスタイルを最大限に活かした設計提案により、既成概念にとらわれない自由な発想での住まいづくりが可能で、外観デザインから内装、設備に至るまで、建築家の美的センスと機能性を両立させた高品質な住空間を実現できます。
- 建築家・デザイナーが設計段階から参画し、芸術性を重視
- 注文住宅以上に独創的で唯一無二の住まいづくりが実現
- 敷地条件を最大限活かした個性的デザインを採用
- 古都鎌倉の風情を取り入れた和モダンデザインが可能
- 建築家の美的センスと機能性を両立
<データ引用元>
鎌倉市 歴史的風土保存区域・歴史的風土特別保存地区https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/fuuchi/4jyou_6jyou.html
鎌倉市 鎌倉市風致地区条例
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/fuuchi/huutitiku.html
鎌倉市 古都保存法とは
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/fuuchi/kotohozonhou.html
鎌倉市の新築市場の現状と価格動向

鎌倉市で新築一戸建て購入を検討する際、まず把握すべきなのが現在の市場動向です。
神奈川県全体の価格推移と鎌倉市を含む湘南エリアの土地価格動向を理解することで、適切な購入タイミングと予算設定が可能になります。
神奈川県の新築市場|タイプ別相場の実態
下の表は5年間における、注文住宅と新築戸建て住宅の価格推移です。
注文住宅は9.7%上昇、新築建売戸建ては13.3%上昇しており、建売住宅の方がより高い上昇率を記録しています。
両タイプとも堅調な成長を続けており、神奈川県の新築住宅需要の強さが顕著に表れています。
神奈川県の新築住宅価格推移(2020年〜2024年)
| 年度 | 注文住宅 (建築費のみ) | 新築建売戸建て |
| 2020年 | 3,898万円 | 3,889万円 |
| 2021年 | 3,971万円 | 4,163万円 |
| 2022年 | 4,104万円 | 4,278万円 |
| 2023年 | 4,155万円 | 4,341万円 |
| 2024年 | 4,277万円 | 4,408万円 |
なお、上記データは住宅金融支援機構のフラット35利用者調査に基づいています。
フラット35利用者の住宅は比較的高品質・高価格帯に偏る傾向があるため、実際の市場平均価格はこれより若干低くなると考えられます。
建売住宅は堅実な価格上昇を維持
新築建売戸建ては2020年の3,889万円から2024年の4,408万円へと519万円(約13.3%)の上昇を記録しました。
年間平均2.7%という安定した成長率を維持し、ファミリー層からの継続的な需要に支えられています。
特に2023年から2024年にかけては1.6%の堅実な成長を示し、コロナ禍による価格上昇が落ち着いて市場の需給バランスが適正に調整されています。
完成済み物件を確認してから購入できる安心感と予算の明確性が評価され、堅実な住宅購入を希望する世帯からの支持が続いています。
注文住宅は建築費の影響で上昇
注文住宅の建築費は2020年から2024年にかけて9.7%上昇しましたが、建築坪単価はさらに大幅な上昇を記録しています。
これは建築資材費の高騰やウッドショックの影響が色濃く反映されており、特に木材価格の急騰が主要因となっています。
建売住宅が大量発注により材料費を抑制できるのに対し、注文住宅では個別対応が必要なため市場価格の変動をそのまま反映する傾向があります。
また上記建築費に加えて土地代が必要となるため、エリア別の地価動向も併せて把握することが重要です。
エリア別土地価格の推移
鎌倉市内でも立地特性の異なるエリアを比較すると、土地価格に与える要因の違いが明確に見えてきます。
各エリアの特徴を理解することは、住まい選びの重要な判断材料となります。
鎌倉市内エリアの土地坪単価推移(2020年〜2024年)
| 年度 | 鎌倉駅周辺 | 大船駅周辺 | 北鎌倉駅周辺 |
| 2020年 | ¥1,064,405 | ¥988,990 | ¥515,013 |
| 2021年 | ¥1,192,811 | ¥680,047 | ¥499,777 |
| 2022年 | ¥1,687,297 | ¥981,670 | ¥772,491 |
| 2023年 | ¥1,672,779 | ¥1,577,378 | ¥774,155 |
| 2024年 | ¥1,766,394 | ¥968,092 | ¥859,110 |
鎌倉駅周辺は5年間で9.3%の上昇を記録し、JR横須賀線と江ノ電が利用できる交通利便性が高く評価されています。
大船駅周辺は複数路線が乗り入れるターミナル駅として安定推移し、北鎌倉エリアは歴史的環境を重視する層からの根強い支持を受けています。
材木座・由比ガ浜エリアは海近という立地特性により、湘南ライフを求める層からの需要が堅調に推移しています。
鎌倉市は古都としてのブランド価値と都心へのアクセスの良さから、神奈川県内でも高値圏で推移しており、駅から徒歩10分程度の物件で価格が約18%程度安くなる傾向があり、駅距離が重要な価格決定要因となっています。
<データ引用元>
不動産情報ライブラリ
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
住宅金融支援機構 フラット35利用者調査
https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/flat35/index.html

鎌倉市のエリア別特徴と価格シミュレーション
鎌倉市内には交通利便性、歴史的環境、自然環境、価格帯などで特徴の異なる多様なエリアが存在します。
ここでは主要4エリアについて、住環境の特徴と土地価格相場、建売・注文・デザイン住宅の総費用シミュレーションをご紹介しますので、ライフスタイルに最適なエリア選びの参考にしてください。
各エリアの費用シミュレーションに含まれる「諸費用」は物件価格の約6〜8%で、以下の内容が含まれます。
- 住宅ローン関連:融資事務手数料、保証料、各種保険料
- 登記関連:所有権保存登記、抵当権設定登記、司法書士報酬
- 税金:印紙税、登録免許税、不動産取得税など
- その他:仲介手数料、引越し費用、初期設備費
注文住宅・デザイン住宅は物件総額が高いため、連動して諸費用も増加します。
鎌倉駅周辺エリア
鎌倉駅はJR横須賀線、江ノ島電鉄が乗り入れる市内最大のターミナル駅で、都心アクセスが最も良好なエリアです。
鶴岡八幡宮、小町通り商店街など観光地としても名高く、生活利便性は市内随一です。
ただし、歴史的風土保存区域や風致地区の規制が厳しく、建築には細心の注意が必要です。
土地価格相場 41.6万円/㎡(約137万円/坪)
費用シミュレーション(標準敷地面積:100㎡・約30坪)
| 項目 | 建売住宅 | 注文住宅 | デザイン住宅 |
| 物件価格 | 6,300万円 | – | – |
| 土地代 | – | 4,110万円 | 4,110万円 |
| 建築費 | – | 2,600万円 | 3,100万円 |
| デザイナー料等 | – | – | 180万円 |
| 諸費用 | 400万円 | 550万円 | 630万円 |
| 総費用 | 6,700万円 | 7,260万円 | 8,020万円 |
*建売住宅:延床面積100㎡、注文住宅・デザイン住宅:延床面積110㎡を想定
大船駅周辺エリア
複数路線が乗り入れるターミナル駅として機能し、横浜方面へのアクセスが良好です。
大船ルミネウィングなどの商業施設があり、生活利便性と比較的広めの敷地が確保しやすい点が魅力です。
土地価格相場 27〜30万円/㎡(約90〜100万円/坪)
費用シミュレーション(標準敷地面積:110㎡・約33坪)
| 項目 | 建売住宅 | 注文住宅 | デザイン住宅 |
| 物件価格 | 5,800万円 | – | – |
| 土地代 | – | 3,300万円 | 3,300万円 |
| 建築費 | – | 2,800万円 | 3,300万円 |
| デザイナー料等 | – | – | 200万円 |
| 諸費用 | 430万円 | 540万円 | 620万円 |
| 総費用 | 6,230万円 | 6,640万円 | 7,420万円 |
北鎌倉・山ノ内エリア
円覚寺、建長寺など禅宗寺院が点在する歴史と自然に恵まれたエリアです。
北鎌倉駅周辺は観光地としても人気で、落ち着いた住環境が魅力ですが、歴史的風土特別保存地区に指定されている場所も多く、建築制限が最も厳しいエリアです。
土地価格相場 23〜26万円/㎡(約76〜86万円/坪)
費用シミュレーション(標準敷地面積:120㎡・約36坪)
| 項目 | 建売住宅 | 注文住宅 | デザイン住宅 |
| 物件価格 | 5,400万円 | – | – |
| 土地代 | – | 3,000万円 | 3,000万円 |
| 建築費 | – | 2,700万円 | 3,200万円 |
| デザイナー料等 | – | – | 180万円 |
| 諸費用 | 410万円 | 520万円 | 600万円 |
| 総費用 | 5,810万円 | 6,220万円 | 6,980万円 |
*風致地区・古都保存法対応費用50万円を含む
材木座・由比ガ浜エリア
鎌倉の海に最も近い住宅地として、サーフィンやマリンスポーツを楽しむライフスタイルが実現できる人気エリアです。
材木座海岸、由比ガ浜海水浴場が生活圏内にあり、独特の湘南ライフが魅力ですが、風致地区の規制に加えて潮風対策も必要です。
土地価格相場 30〜35万円/㎡(約100〜115万円/坪)
費用シミュレーション(標準敷地面積:110㎡・約33坪)
| 項目 | 建売住宅 | 注文住宅 | デザイン住宅 |
| 物件価格 | 6,100万円 | – | – |
| 土地代 | – | 3,630万円 | 3,630万円 |
| 建築費 | – | 2,900万円 | 3,500万円 |
| デザイナー料等 | – | – | 200万円 |
| 諸費用 | 450万円 | 570万円 | 660万円 |
| 総費用 | 6,550万円 | 7,100万円 | 7,990万円 |
*注文住宅・デザイン住宅では潮風対策費用100万円を含む
エリア選択のポイント
各エリアの特徴を踏まえ、以下の優先順位で選択することをお勧めします。
- 利便性重視:鎌倉駅周辺、大船駅周辺
- 歴史・文化重視:北鎌倉・山ノ内エリア
- 海近生活:材木座・由比ガ浜エリア
- コストパフォーマンス:大船駅周辺、深沢・梶原エリア
- 自然環境:北鎌倉・山ノ内エリア、腰越エリア
<データ引用元>
不動産情報ライブラリ
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
住宅金融支援機構 フラット35利用者調査
https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/flat35/index.html

鎌倉市における新築一戸建てのメリット・デメリット

工務店として多くの建築実績を持つ立場から、鎌倉市での新築一戸建て3タイプそれぞれの特徴を詳しく分析します。
新築建売住宅のメリットとデメリット
建売住宅は不動産会社やハウスメーカーが土地取得から設計・建築・販売まで一貫して手がける住宅で、完成した状態で販売されるため、購入から入居までの期間が短いのが特徴です。
鎌倉市では古都保存法や風致地区条例への対応が標準仕様に組み込まれており、総費用が明確で資金計画が立てやすいメリットがあります。
一方で、間取りや仕様が既に決まっているため、家族のライフスタイルに完全に合わせることは困難です。
特に鎌倉市の特性を活かした和モダンデザインや庭の造成など、個性的な要望がある場合は選択肢が限られます。
また、風致地区の植栽義務は標準で組み込まれていますが、立地に応じた細かい景観調整が困難なデメリットもあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 総費用が明確で資金計画が立てやすい 完成済み物件なら1〜2ヶ月で入居可能 実際の仕上がりを確認してから購入できる 住宅ローン審査が通りやすい 風致地区・古都保存法対応が標準仕様 | 間取りや仕様の自由度が低い 鎌倉らしい個性的な設備の選択肢が限定 立地に応じた細かい景観調整が困難 同じ分譲地内で似たような外観になる 建築過程の確認ができない |
注文住宅のメリットとデメリット
注文住宅では、家族構成やライフスタイルに合わせた完全オーダーメイドの住宅が実現できます。
鎌倉市では古都の風情を活かした和モダンデザイン、庭園を取り入れた設計、歴史的建造物と調和した外観など、鎌倉らしいライフスタイルを反映した設計が可能で、風致地区や古都保存法の規制レベルに応じて対応でき、基礎工事から完成まで各工程を確認できる安心感も得られます。
しかし、鎌倉市での注文住宅は建売住宅より平均1,000万円〜1,500万円程度高くなり、特に風致地区対応で追加50万円〜100万円、歴史的風土保存区域では届出や調整に時間とコストがかかります。
また、設計から完成まで10〜14ヶ月程度かかるため、入居時期が限定される場合には不向きで、設計過程での仕様変更により予算オーバーになりやすいリスクもあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 家族に合わせた完全オーダーメイド設計 風致地区・古都保存法の規制レベルに応じた対応 基礎工事から完成まで各工程を確認可能 将来の間取り変更や増築への対応可能 鎌倉らしい和モダンデザインの実現 | 建売住宅より平均1,000万円〜1,500万円程度高額 設計から完成まで10〜14ヶ月程度必要 仕様変更により予算オーバーのリスク 古都保存法・風致地区対応の業者選択が重要 仮住まい費用などの追加コストが発生 |
デザイン住宅のメリットとデメリット
古都鎌倉ならではの特色ある住宅として人気が高まっているタイプです。
和モダンスタイルの洗練された外観、鎌倉の歴史的建造物にインスパイアされたデザイン、寺社仏閣との調和を意識した意匠など、建築家やデザイナーによる独創的な設計により他にはない唯一無二の住まいを実現でき、古都鎌倉の風情を体現した住空間が完成します。
ただし、建築費は注文住宅よりもさらに高額になり、デザイナー料、特殊な建材費、複雑な施工費などにより同規模の注文住宅と比較して300万円〜800万円程度の追加費用が発生します。
また、個性的なデザインは好みが分かれるため、将来の売却時に購入希望者が限定される可能性があり、複雑なデザインや特殊建材によりメンテナンス費用が高額になる場合もあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 古都鎌倉特有の個性的なデザインを実現 建築家による唯一無二の住まいづくり 歴史的建造物との調和を考慮した設計 鎌倉の風情を活かした和モダン空間実現 エリア全体の景観・価値向上に貢献 | 注文住宅より300万円〜800万円程度高額 将来売却時に購入希望者が限定される 特殊建材でメンテナンス費用が高額 デザイン重視で実用性が不十分になるリスク 複雑な施工で工期延長の可能性 |
選択の指針
鎌倉市での新築一戸建て購入では、予算とライフスタイルによって最適な住宅タイプが決まります。
建売住宅は年収700万円〜900万円でコストパフォーマンスを重視する方、注文住宅は年収1,000万円以上で設計にこだわりたい方、デザイン住宅は年収1,200万円以上で個性的な住まいを求める方に適しています。
どのタイプを選択する場合でも、古都保存法や風致地区条例への適切な対応など地域特有の技術的配慮が必要なため、鎌倉市の建築規制を熟知した信頼できるパートナーとの連携が重要です。
まとめ
鎌倉市での新築一戸建て購入は、古都としての歴史的風土と都心への優れたアクセスを両立できる特別な選択肢です。
JR横須賀線により東京・品川方面へ1時間以内でアクセスできる利便性と、鶴岡八幡宮や由比ガ浜などの歴史的・自然的環境に恵まれた住環境は他エリアでは得難い価値を提供しています。
エリア選択では、ライフスタイルの優先順位を明確にすることが重要です。
都心通勤重視なら鎌倉駅周辺や大船駅周辺、歴史・文化重視なら北鎌倉・山ノ内エリア、海近生活なら材木座・由比ガ浜エリア、コストパフォーマンス重視なら大船駅周辺が最適な選択となります。
建売住宅は総費用が明確で古都保存法・風致地区対応も標準仕様に含まれているため追加費用の心配が少なく、注文住宅では鎌倉らしい和モダンデザインを自由に組み込めますが建売住宅より平均1,000万円〜1,500万円程度高くなります。
鎌倉市では地域特有の課題への適切な対応が重要で、古都保存法や風致地区条例への対応が必須、敷地面積の20%以上の植栽義務、高さ制限や建ぺい率の規制などがあります。
資金計画では物件価格に加えて諸費用や維持管理費を見込み、住宅ローン返済比率は年収の25%以内に抑えることをお勧めします。
最終的に、鎌倉市での新築一戸建て購入成功の鍵は、古都保存法や風致地区条例など地域特性を深く理解した信頼できる工務店との連携にあり、鎌倉という特別な環境の魅力を最大限に活かした理想の住まいを実現できるでしょう。


