【現場いろいろストーリー】2023.7-「二世帯暮らしの家」左官壁掻き落とし仕上げ

「二世帯暮らしの家」も、いよいよ完成が間近に迫って参りました。そして、今回の外壁は左官掻き落とし仕上げ!ということで現場の取材に行ってきました。ワクワク!

この日は下地塗りが終わり、上塗りの材料の仕込み準備に追われていました。掻き落とし仕上げにする際、大きな砂の粒子が混在していると、掻き落とした時に大きな穴が空いてしまいます。それを避けるために大小バラバラの砂を「ふるい機」にかけて大きな粒を取り除く必要があります。

そしてひと段落したところで上塗りの材料が到着。

自ら左官材料を運ぶ寺っちさん。とにかく元気です!

翌日も左官日和!とは言っても埼玉県の暑さは写真では伝わらないほどの暑さで、撮影している携帯電話が途中でダウンしてしまうほどでした。

さて、早速現場が慌ただしく動き始めました。下で左官材料を練り上げて、昇降機のようなもので2階へと配っていきます。とても効率よく左官材料が職人さんの手元に次々と届けられているので、作業スピードもすごい速さです。

たくさんの職人さんが一斉に塗り始めます。左官は時間との勝負です。

写真右側が下塗り、左側が上塗り1回目。早朝からお昼までに上塗り2回が無事に終わりました。午後からは掻き落としの作業に移行します。

硬化前に掻き落とすため、そのタイミングを見極める事が重要になります。軟らかいうちに掻いてしまうと上塗りをはぎ落としてしまうことになり、硬化しすぎてしまうとセメントの強度が出てしまうので掻き落とすことが難しくなってしまいます。

材料の硬化時間を考えながらの作業になり、夏と冬とでは工程も変わります。夏場は材料の硬化が早いので、朝から塗りつけ始め、午後には掻き落とせる状態になります。

全ての面を掻き落とさずに、今回は寺っちさんの意図を現場に落とし込んでもらい、輪郭部分を残すデザインとなりました。メリハリが効いていますね!

輪郭部分と同じように、入隅の部分も小さな鏝で丁寧に掻き落とします。

そして面積の大きな所は、掻き落とし専用の道具で大胆にダイナミックに掻き落としていきます。

荒々しい表情がカッコイイ!!!

ひたすら掻き落とす、掻き落とす、、、。ここも時間との勝負です。どんどん硬化が進んでいきます。

こうしてやっと4面のうち、1面の壁が出来上がりました。

最後に専用のハケで細かい粒子を払い落として完成です。4面の完成を見届けることなく退散しなければならなかったのでとても心残りですが、次回現場に行った時にきちんと完成をこの目で確認したいと思います。暑い中での作業、本当にお疲れ様でした。ありがとうございます!!(m.t)